《宮代理事のQ&Aコーナー #7》家の中にいる子供と会話がない。どうしたらいい?
本日のご質問です↓
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臨時休校が続き子どもがずっと家にいます。休む間もなく家事をこなし、リモート会議も飛び込んで来ます。気が付くと、ずっと同じ家の中にいるのに子どもとの会話がほとんどなくなっていることに気付きました。子どももとっても機嫌が悪く、それを見ていると自分も落ち込んで行ってしまいます。何か、できることはないでしょうか?
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【宮代理事より】
遂に、臨時休校も3か月目に突入しました。まさか、こんなにも大変な状況になってしまうとは、想像をはるかに超えてしまいました。今、私たちは歴史上でも未体験の、とっても苦しい状況に放り出されたと理解する必要がありそうです。大人でもびっくりしてしまう未体験の世界ですが、子ども達にとっては全てが大切な幼少期の一コマです。将来に繋がる今を、大切に経験していくことが大切です。
子ども達にとって、大切なことは何か?
今回はそのことについて考えてみたいと思います。それを考えるために少し視点を変えて、子ども達が楽しいと思うことはどんなことだと思いますか?友達と遊ぶこと、スポーツを頑張ること、ゲームをすること、美味しいものをお腹いっぱい食べること。いろいろ出て来そうですね。
大人は過去と比較して楽しみを測ることが多いと思います。「楽しかった旅行にもう一度行きたい。あの時見た素敵な風景を見たい。それよりも、もっと綺麗な風景も見てみたい。」子ども達には、過去の記憶や知識がそれほどたくさんある訳ではないので、大人とは少し違う感覚で生きているかもしれません。まず、ご自分のお子さんが何を楽しいと思っているのか、よく観察をして、楽しいことについての会話をしてみてください。
「夕食のメニューは何が好き?どうして好きなの?」
シンプルな質問が良いと思います。子どもの答えは様々ですが、正解、不正解などある訳がありません。ですから、子どもの答えには、まず、大きく頷きましょう。この「頷く」という動きがとても大切です。もちろん、笑顔も添えてもらえると最高です。
さて、子ども達が楽しいと思うことについて考えていたのですが、実は、子ども達にとって楽しい時間とは、友達やゲームなど、家庭の外の世界との触れ合いと同じくらい、家族とのちょっとしたコミュニケーションも楽しいと感じているものです。
特に、親に誉められることの喜び、これはとっても楽しい時間です。コロナで苦しい毎日の中、本当に大変な日常が流れていると思いますが、ちょっと原点に戻って、大人がどのくらい子どもを誉めているか、振り返ってみませんか?
スポーツでチーム作りを進める時、ちょっとしたゲームを取り入れることがあります。「隣の選手のすごいと思うポイントを探すゲーム」です。選手たちは輪になって、隣に座った選手の良い所を誉める。ただ、それだけのゲームです。
最初は何を言って良いのか考えこむ場面も多いですが、「どんなことでも大丈夫だよ、スポーツのことじゃなくても良いよ。」と促して行き、苦労して答えを押し出したその瞬間、コーチの出番です。大きく頷くのです。
一周回ったら、次は時間を測ってチャレンジします。全員で一周するのにかかった時間を測ります。皆で協力して記録が伸びることを楽しみます。そんなの子供だましでしょ!というご意見が聞こえて来そうですが、これが、本当に盛り上がるのです。人間、誉められて悪い気がする人なんていません。意外なポイントを誉められて、「あいつ、俺のことをそんな風に見ているんだ!」と驚くという新たな経験もできることがあります。
さて、ご家庭で家でやることがなくって、子どものちょっとした振る舞いに苛立ちを感じたら、ちょっと息抜きに家族でゲームを楽しんでみませんか。家族のすごいところをたくさん探すゲーム。
お子さんに「私の良いところ、好きなところを10個探して!もちろん、私も君のすごいところを20個探すからね!」
お子さんにとって大切なことは、家族にその存在が認められていること、社会が自分を必要としていること、それを信じることができることだと思います。お子さんの一言に、大きく、笑顔で頷いてみてください。