ライフスキル育成協会代表 布施努 挨拶
アメリカの大学での話です。
ここでは部活のコーチも、普通に教授用のラウンジに出入りしていました。日本では
あまり無いことで、なぜかと聞いてみますと、『当然です。大学では経済学の教授は
経済だけ教えているのではありません。経済という学問を通じて人間を育てているので
同じなのです。』という答えが返ってきました。
私は衝撃を受けました。
コーチの本質はこの辺にあるのではないでしょうか。ちなみに、この大学は決して競技成績が
悪いわけではなく、全米屈指の強豪校です。私が出会った素晴らしい監督、指導者の皆さんは、
思えば本当に”勝利を求めながらも、自然と人を育てている方々です。スポーツは選手、子供たちの
好奇心を育み、感性を磨き、仲間を作り、挑戦する勇気や責任者を養うのに絶好の場です。
選手や子供たちは、スポーツを通じて判断力や自立心を身につけ、自分なりの価値観を持った
”自立した大人”へと育っていきます。
私がスポーツ心理学に魅力を感じるのはその『生き抜く力=ライフスキル』のメソッドやスピリッツがあるからです。そしてその為には”スポーツを通じて人間性を育てるコーチ”の役割が重要です。
私が、米国の大学院で本格的に応用スポーツ心理学を研究し、プロや世界で戦う選手も見てきましたが、むしろスポーツ心理学は、子供たちや、その指導者の皆さんや、ご父兄、しいては家庭内、職場内にとても役立つものだとおもいます。
LDAは敷居が高く感じられる応用スポーツ心理学を身近に感じられる場所になればと思います。
LDAでは、志を共にするコーチ達とともに”スポーツを通じて人間性を育てるコーチ”の役割を担うために共に学び、実践を通じて成長していきたいと思います。広く皆様にも、応用スポーツ心理学を知っていただき、スポーツはもちろん実際の生活でも役立てて頂きたいと思っています。
布施 努プロフィール
㈱Tsutomu FUSE, PhD Sport Psychology Services 代表取締役
スポーツ心理学博士
ノースカロライナ大学グリーンズボロ校大学院 博士号取得
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員
早稲田実業高校、慶應義塾大学では野球部に所属し、高校時は甲子園で準優勝、
大学時は全国大会優勝を経験。
卒業後、住友商事に14年間従事。
その後渡米し、米国五輪組織やNFL数球団にて指導するスポーツ心理学の
世界的権威のDr. Gouldを師とし、最先端のスポーツ科学をベースにした
フィールドでの組織・チーム作り/パフォーマンス向上のスペシャリスト。
大学院ではUSA五輪チームやNFL、NHLの組織・チーム作りのリサーチ・コンサルティングを行、帰国後、慶應義塾大学、筑波大学、JR東日本、Jリーグチームなどでチーム作り・リーダー指導を行い、チームを短期間で全国大会優勝に導くなど確実な結果を残す。
ビジネスの世界においても大手企業チームビルディング、組織パフォーマンス向上、リーダー力向上、ライフスキルのトレーニングを実施するなどスポーツからビジネスまで幅広い分野での組織作りの指導を行っている。
【著書】
『ホイッスル!勝利学』(集英社、2009年)
『スポーツ精神医学』 (診断と治療社、分担執筆、2009年)
『実践例から学ぶ競技力アップのスポーツカウンセリング』(大修館書店、共訳、2008年)
『勝ち続ける組織の法則―ビジネス スポーツ心理学博士が解き明かす心の方程式』(ゴルフダイジェスト社、2015年)