《宮代理事のQ&Aコーナー #6》休校中でも,野球への気持ちはキープしてほしい。息子に何を言えば基礎トレーニングに取り組んでくれますか?
本日のご質問です↓
-------------------
小学生を持つ母親です。学校は長期臨時休校になり、普段活動している野球チームも一切の活動が停止してしまいました。もはや、勉強もしなくても良いと諦めているのですが、せめて大好きな野球への気持ちだけはキープして、毎日、少しずつでも体力作り、基礎トレーニングに取り組んだら良いと思うのですが、何を言ったら素直に取り組んでくれるでしょうか?
-------------------
【宮代理事より】
毎日、大変な日々が続いていると思います。ちょっと意外なことに、小学生に直接話を聞いてみると、
「まぁ、別に学校行かなくても平気。友達ともたまに会えれば良いかなぁ~」
「学校に行かなくても家でゲームできるし、割と楽しいよ」
などの答えも返って来ます。もちろん、
「野球できない、詰まんない!」
と素直な声もたくさん聞こえて来ます。
この状況、大人の目から見て、特にご家族から見てどう映っているのでしょうか?正直に言ってしまえば、お昼ご飯も作らなきゃいけないし、ずっと家に子どもがいるとうるさい!なんていう感想も漏れてしまいますよね。
積極的に捉えるご家族だと、こういう非日常的な時こそチャンスだ、と考える方もいるかもしれません。今日は、この積極的な考えについて、もう少し具体的に考えてみたいと思います。
今は、いったいどんなチャンスなんでしょうか?
ご質問頂いた通り、毎日少しでも体力作りをする、基礎トレーニングに取り組む、そんなことができる時間が一杯あるチャンスかもしれません。小学生が自分からそんなことを思いつき、コツコツやることができるとしたら、このような複雑な状況でなくても、既にこれまでにも取り組んで来ていることでしょう。
やる!というモチベーションをいかに持つかが大切です。実は、普段のチーム作りにおいても、指導者はこのモチベーションの維持に大変苦労をしています。「目標を持て!」と言うのは簡単ですが、どうやって目標を立てるの?この疑問に答えるために、いろいろな提案をしていきます。
例えば、
「このコロナの騒ぎが終息した時点でまた野球が始まるけど、その時に君はどんな状態でその日を迎えたいと思う?」
といった質問をします。将来のことをイメージしながら、そこに向けて今を過ごす、時間を逆算して今やると良いことを考えるというやり方です。あるいは、
「このチャンスに他のチームの選手を追い越してしまうために、まず、やってみたいことないかな?」
例えば、ちょっとでも足が速くなりたいとか、打てるようになりたいとか、そんな素直な言葉を期待した質問です。見事その答えが返って来たら、
「じゃ、今日からできることは何かな?」
と展開する。大きな遠い目標と同時に、目の前に小さな目標を作ってあげる。
自分で目標をしっかり立てて行動しなさい!ではなかなかうまく進まないのは、小学生ならば当然のことかもしれません。目標を「練り上げていく作業」のところで、大人であるご家族の皆様が関わってあげると新しい展開が見えてくるかもしれません。
子ども達を立派に育てたいと思っているならば、なおさらのこと、大人は命令をするのではなく、できるだけ寄り添い、一緒に難しい作業に取り組んであげて欲しいと思います。